トーマスのつれづれ野球雑記

ただの野球好き(ホークスファン)が好き勝手に野球の話をするブログです。

バレンティンについて 書こうとしたのに

はじめに(あまりいい小見出しが思い浮かばなかった)

 

こんにちは、トーマスです。

 

世間はいよいよ緊急事態宣言とかなんとかで大変なことになってきましたね。

いや、ほんとうに大変なのはこれからか…。

 

まあ、でもこんなネットの世界で暗くなってもしょうがないですからね。

私は普段通りただの野球バカただのホークスファンを続けていこうと思います。

 

さて、前回の最後に書いたように今回はホークスの新戦力についての私なりの分析なんぞを書いていこうと思います。

 

第1回はやはりこの人、シーズン最多本塁打記録保持者、東京ヤクルトスワローズから2年総額10億円(推定)の大型契約で移籍してきたウラディミール・バレンティン選手。

 

通算本塁打288本という実績をひっさげてパリーグに参上ということで年俸の金額も相まって期待値は否が応にも高まります。

 

そこで、まずはホークスの2019年の打撃成績を振り返りながらバレンティン選手に期待されることは何なのかを考察してみましょう。

 

2019年のホークスの打撃について

 

 まずは2019年パリーグのチーム打撃成績一覧を見てみましょう。

 

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図1 2019年パリーグチーム打撃成績

 

図1には公式記録として発表されているチームの打撃成績が載っています。

ここから2019年のホークスの打撃はどうだったのかを見ていきます。

 

まず挙がるのはやはり本塁打でしょう。

強力西武打線(174本)を抑えてリーグトップ(183本)とは流石の重量打線だなという印象です。

 

併殺打の少なさ(85個でオリックスとともにリーグ最少)も特徴の一つです。

併殺打というのは得点のチャンスをワンプレーで逸してしまう、最も避けたいプレーの一つです。

それが少ないということは当然ポジティブな要素ではありますが、それだけではありません。

わき道にそれますが、この併殺打の数」をどのように捉えるか、いくつかの見方を考えてみます。

 

併殺打の数」から見えること

 

一つ目は、走塁意識が高いゆえに一塁への全力疾走やゲッツー崩しなどのプレーを怠らず、併殺を免れるケースが多かったのでは、という見方。

一番最初に思い浮かぶのはこれでしょうか。

 

確かに、「ホークスの走塁意識は高い」という趣旨の記事などもいくつか拝見しましたし、実際に試合を見てもそういった印象を受けることがあります。

デスパイネの全力疾走なんかはかなり迫力がありますよね。(けがをしないかいつもハラハラですが)

外国人にも常に全力疾走を求め、主力選手たちも手を抜かない。

そんな走塁意識がこの数字の一因になっているというのはおおいに考えられます。

 

二つ目はそもそも併殺打になりうるケース、つまりチャンスが少なかっただけじゃないか、という見方。

意地悪な見方にはなりますが、これも十分に考えられます。

 

併殺打は恐らくほとんどの場合、走者が一塁にいる場面で発生すると予想できます。

その、走者が一塁にいる場面というのは失策や野選などを除くと単打と四死球で走者が出た場合に発生するものです。

 

つまり、単打及び四死球による出塁が少なかったために、そもそもの併殺打になる可能性のある打席が減り、それに比例して併殺打の数も少なくなったという考え方です。

 

先ほどの図1から単打と四死球の数字を抜き出してみましょう。

単打数は安打から二塁打三塁打本塁打を引いたものになります。

そこに四球、死球の数を足していきます。

それをまとめたのが次の図2です。

 

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図2 パリーグ各球団の単打と四死球の合計

 

図2を見ると一目瞭然ですね。

ホークスの単打・四死球による出塁はパリーグ最下位(1265回)と、一位の西武(1478回)よりも213回も少ないのです。

 

勿論、これらの単打や四死球がどういった状況で発生したかにもよりますので(二死からだと併殺打は起こらない)一概には言えませんが、これを見ると併殺打になりうる打席が少なかっただけだという考えも一理あるように思えますよね。

 

しかしここで「おや?おかしいぞ?」と思った方もいると思います。

 

「それじゃあ、西武の併殺打はもっと多くなきゃおかしくないか?」

 

そうなんです。

例えば西武と楽天を比べてみましょう。

単打と四死球による出塁の合計は一位は西武の1478回、二位は楽天の1445回となっています。

しかし、併殺打の数を比べてみると、西武の88個に対し楽天は114個とリーグ最多となっています。

 

前述の見方を当てはめるならば、西武も楽天と同じくらいの併殺打を記録してもおかしくはありません。

しかし実際はリーグ最少(85個)よりも3個多いだけにとどまっています。

 

これはいったいなぜか。

それを説明するための見方が次に紹介する、三つ目の見方になります。

 

三つ目の見方は併殺打の数の違いはチームの作戦の違いによるものであるというものです。

ここで注目する数字は「盗塁」「犠打」です。

 

試合での光景を思い浮かべてもらえればわかる通り、盗塁の多くは一塁走者が二塁へと進塁する二盗、そして犠打の多くは一塁ランナーを二塁に送る送りバントであると予想できます。

つまりこの二つの数字からは一塁走者をどのように、どれくらいの数だけ二塁以上に進められたかを大まかに知ることができると考えられます(かなり乱暴ではありますが)。

 

また、盗塁と犠打という二つは主にベンチの作戦、つまりチームの作戦として遂行されることが多いプレーですので、この二つの数から「チームの作戦傾向」まで推察することができます。

 

例えば併殺打リーグ最少タイ(85個)のオリックスを見てみると、犠打数(101個)はパリーグ一位、盗塁(122個)もパリーグ二位となっています。

さらに言うと盗塁刺の数(59個)もパリーグ一位と、ランナーが出たとみるや何らかの作戦を講じていた可能性が高いことがわかります。

加えて、オリックスの単打・四死球による出塁はパリーグ5位(1331回)です。

 

つまり、オリックスは単打や四死球で一塁に走者が出た場合、盗塁や犠打など様々な作戦を駆使して何とか二塁にランナーを送ろうとしていたというチームの特色が浮かび上がってきます。

その結果がリーグ最少の併殺打という形になったのではないでしょうか。

 

オリックスとは対照的なのが日本ハムです。

こちらは盗塁(48個)、犠打(78個)ともにリーグ最少とチームの作戦でランナーを進めることをあまり好んでいないようです。

確かに、得点期待値の変化を論拠に盗塁、犠打はあまり効果的ではないという説は最近よく聞きますね。

これは主に、セイバーメトリクスが広く一般的なものとなっているMLBで言われている説ですが、メジャーの球団と提携してアリゾナでキャンプを行うなどMLB志向の強い日本ハムのことなので、もしかしたらその考えを参考にした結果が表れているのかもしれませんね。

しかし強行策を多くとった結果か、併殺打の数は106個とリーグワースト2位を記録してしまいました。

 

続いて楽天です。

こちらは犠打数こそリーグ3位(98個)と比較的多めですが、反対に盗塁はリーグ最少タイ(48個)と機動力をあまり使っていないことがわかります。

さらに盗塁成功率もリーグワースト(.558)となっており、機動力を「使っていない」のではなく「使えない」、「使いづらかった」のではないかと推察することができます。

そのため走者を進める作戦の選択肢が狭まり、そのため併殺打が増えてしまったのではないかと考えることができます。

 

楽天とは対照的に、走力を存分に活用しているのが西武です。

犠打はリーグ最少タイ(78個)ながら、盗塁数リーグ1,2位を西武の選手が独占(1位が金子侑司選手の41盗塁、2位が源田壮亮選手の30盗塁)するなどリーグ最多の134盗塁を記録。

これは前述の楽天の盗塁数のおよそ3倍と驚きの数字です。

それでいて盗塁成功率もリーグ1位(.732)と高く、作戦として盗塁を指示しやすかったのではないかと考えられます。

単純比較ですが、楽天と西部それぞれの盗塁数と犠打数を足したものを比べると楽天146に対し西武212と、西部のほうがより多く「走者を次の塁に進められている」と考えられ、その差が併殺打数の差にも表れているといえると思います。

 

ホークスはこの中ではオリックスと数字が似ていますね。

つまり、一塁ランナーが出たらバントや盗塁でとにかく二塁に進めるという作戦をとるというものです。

…なんとなく心当たりしかありませんね。

 

おわりに

 

さて、長々と書いてきましたがこれで「併殺打の数」という一つの数値からでもいろいろなことを考察できることがわかっていただけたかと思います。

 

…あれ?

 

バレンティン、どこいった?

 

……

 

筆が乗って書き進めていたら、いつしか最初に書こうとしていたことを忘れてかなりの量になってしまいました。

 

でも仕方ないです、そういうものです。

併殺打をどう考えるかということついては書きたいことのひとつだったので、まあよしとしましょう。

 

次回こそは今回の分析も踏まえてバレンティン選手のことを書きたいと思います。

 

しかしそれも未定。

 

予定は未定…

 

それでは 今回はこのへんで